鎖ノ音

ジャラリ、ジャラリと音がする。

悲しく、重い、覚悟の音が。

ある意味、今までの中で一番しんどく感じる戦争だったと、そう思う。

今回はただ攻め入るだけじゃなく…護る、足を止める、その概念も必要だった。

そんな中聞こえた【ゴーストチェイサー】の存在を、俺は暢気な考えでとらえていた。

『また、学園に来る仲間が増える可能性がある』

・・・俺にとっては、それは、すごく楽しみなことだった。

 

・・・・・・けれど・・・・・・

 

ドローミ。

途中参入な俺も参加した、人工島で壊された人狼のメガリス。
使い手の周囲に不幸を呼び込む代わり、その分相手を拘束する業の鎖。

それを、

ゴーストチェイサー達が、

「　　　　」。

 

コマンダーのみならず、すべてのポジション、個人、その思いは大いなる災いに向けられた。

怒り。
彼らの覚悟。
憤り。
自分たちの覚悟。

 

…ある意味最終なのもあって、冷静さをかなぐり捨てた俺も、災いに一撃いれるために走っていく。

…正直、泣きたくなった。

……嘘だ。

すでに俺は「泣いていた」。

単騎で走っていたがゆえに、多分結社の誰も見ていないと思う。それが個人的な救い。

助けの手が、届かなかったこと。
こちらの被害が重傷だけで終わったのに、向こうのほとんどが死んだこと。

…俺の「翼」がまだまだ小さいことを、ありありと見せ付けられた。

…俺は、流れる雫を抑える気も起こさずに、敵陣へと、飛んだ。

小さい翼であっても飛翔は出来るから。
敵に、可能ならば大いなる災いに、

…鷹の爪を、突き立てるために。